私達は人と比べてしまうことがよくあります。

それはなぜでしょか?

たぶん、人と比べることで自分が何ものかを推し量るためです(意識しているか、してないかは別にして)。

たとえば

私は体重60kg、彼は体重62kg。だから、2kg私は彼より体重が少ない。

人と自分を比べると、自分についての1つの理解が得られます。

・私は彼より2kg体重が少ない人間である。

このようにたくさん比較すると、自分が何ものかを定義する数が増えて、自分がよくわかるような気になります。すると、安心できます。

ただ、比べる時に善し悪しが付いてくると、感情がくっついてきて苦しみが生まれることがあります。一般的には、このような比較をすることが多いのではないでしょうか?

このような善し悪しを含む比較をしてしまうのは、自分という意識があり、自分が幸せになりたいという思いがあり、幸せになるためには幸せである証拠(自分が他人より優れているなど)
が欲しいからです。

たとえば、

私は体重60kg、友人は45kg。私は太っていて、友人は痩せている。だから、私は友人よりもモテない。

このように体重について善し悪しという価値を付けてしまうと、悪い価値(体重が重い)を得たら悲しみ、よい価値(体重が軽い)を得たら喜ぶ。こうなってしまいます。

単なる比較ではなく善し悪しという価値感を付加することで、自分に劣等感を感じたり、優越感を感じてしまうんです。

優越感が劣等感より強ければ、幸福を感じますが、善し悪しの比較をする限り、いつ劣等感が勝るかわかりません。だから、不安になります。

人と比べることは別に良くも悪くもないですが、そこに価値がある、価値がないという価値感を持ち込むと、苦しみの元になります。

もし、他人と自分を比べるのであれば、そこに善し悪しの価値感は持ち込まないほうが心は安定します。

私は体重60kg、友人は、45kg。私は15kg友人より体重が多い。ただそれだけ。

これなら、感情が揺れ動くこともないです。

すべてにおいてこのように人と自分を比較すれば、落ち込んだり傷ついたり悲しんだりすることはないです。

もし、他人と自分を比べて心にネガティブな感情が生まれるなら、そこには自分が何らかの価値感を持って判断しているのに気付くでしょう。